【民法改正】越境した竹木の枝の切取りルールについて

公開日 2023年05月01日

更新日 2024年07月08日

令和5年4月1日の民法改正により、越境する隣地の竹木の枝の切取りに関するルールが改正されました。

これまでは、隣の土地から境界を越えて竹木の枝が伸びてきた場合、自分で切り取ることはできず、その竹木の所有者に切ってもらうか、訴えを起こして切除を命ずる判決を得て強制執行の手続きをとる必要がありました。

令和5年4月1日の民法改正により、越境された土地の所有者は、竹木の所有者に枝を切り取らせる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切り取ることができるようになりました(改正後の民法233条3項1号~3号)。

 ・竹木の所有者に越境した枝を切除するよう勧告したが、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき
 ・竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき
 ・急迫の事情があるとき

 

Q1.隣地の所有者はどうやって調べられますか?

 方法の1つとして、法務局で取得できる「登記簿謄本」、もしくは「登記事項証明書」があります。

 法務局で取得できるほか、下記によりオンラインでも申請できます。

 オンライン申請のご案内(法務局)

 

Q2.催告はどのようにすればいいですか?

 対象である土地・建物の所有者を調べ、所有者の住所地へ状況や氏名、連絡先等を記載した通知の送付が考えられます。

 

Q3.所有者に催告してからどのくらい待てばいいのですか?

 民法第233条第3項第1号 の「相当の期間」とは、越境した枝を切除するために必要な時間的猶予を与える趣旨であり、事案にもよりますが基本的には2週間程度と考えられます。

 

Q4.枝を切る場合、隣地に入ることはできますか?

 枝を切り取ることに必要な範囲で隣地を使用することができます。(民法第209条)

 ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ立ち入ることができません。

 

Q5.費用の請求はできますか?

 越境した枝の切り取り費用は、枝が越境して土地所有権を侵害していることや、土地所有者が枝を切り取ることにより竹木の所有者が本来負っている枝の切除義務を免れることを踏まえて、基本的には竹木の所有者に請求できると考えられます。(民法第703条、第709条)

 

備考

 町では越境した竹木の枝等について、個人の所有物となるため切除可能かどうか判断することはできません。

 また、催告に関しても町では対応することができませんので、ご自身で対応をお願いします。

 越境した枝の切取りを考えられる場合は、事前に弁護士や司法書士等に相談することをお勧めします。

 ※なお、(福)壬生町社会福祉協議会(TEL 0282-82-7899)において弁護士相談を実施しています。相談は予約制ですのでご相談希望の方は事前のご予約をお願いします。

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