令和6年5月1日より下水道使用料を改定いたします

公開日 2023年11月30日

更新日 2024年03月15日

 本町の下水道事業は、人口減少や節水指向の高まりの影響から使用量が減少し、使用料収入も減少している状況にあります。さらに施設の老朽化や近年の社会情勢の影響による物価上昇等により汚水処理経費が増大し、令和元年度以降、汚水処理経費を使用料収入で賄いきれず、一般会計からの繰入金で補っている状況です。

 下水道事業の汚水処理経費は、独立採算の原則に基づき、使用料収入で賄うことが求められておりますが、この状況は今後も続くと見込まれており、下水道使用料の改定を行います。

 つきましては、下水道事業をこの先も安定して運営していくために必要な改定となりますので、みなさまのご理解とご協力をお願いいたします。

 なお、今回の改定は公共下水道の使用料のみで、上水道及び農業集落排水の使用料は改定されません。

改定内容

【一般汚水】(1ヶ月当り)

水量(㎥)

改正前(円・税込)

改定後(円・税込) 増加額(円)
基本料金   ~ 10 1,386.00  1,617.00  231.00
超過料金
(1㎥につき)
 11~ 40 138.60   160.60  22.00
 41~100 149.60  173.80  24.20
101~200 161.70   189.20   27.50
201~   172.70   206.80   34.10

【臨時用】

 

改正前(円・税込)

改定後(円・税込) 増加額(円)
1㎥につき 172.70 206.80 34.10

※臨時用は工事等の為に臨時で下水道に接続する際の使用料です。

 下水道使用料の計算に使用する使用水量は、上水道の使用水量を下水道使用水量に等しいものと見なして、使用しています。上水道を使用せず井戸水等のみの場合はメーター検針により使用水量を把握できない為、一人当たりの使用水量を1ヶ月につき6㎥と見なす認定水量を基に使用料計算を行います。上水道と井戸水等を併用している場合は、上水道の使用水量に一人当たり1ヶ月4㎥の認定水量を合算したものを下水道使用水量として、使用料計算しています。

 なお、実際の請求は2ヶ月ごとの水量検針に基づいて使用料を計算するため、基本使用料および超過料金の水量区分は2ヶ月分で計算されます。

【改定後料金表(2ヶ月分・消費税込】

水量(㎥)

改正前(円)

改定後(円) 増加額(円)
基本料金   ~ 20 2,772.00  3,234.00  462.00
超過料金
(1㎥につき)
 21~ 80 138.60   160.60  22.00
 81~200 149.60  173.80  24.20
201~400 161.70   189.20   27.50
401~   172.70   206.80   34.10

 壬生町の平均的一般世帯における2ヶ月間の使用水量である34㎥の場合、1回の請求見込み額は下記の通りとなります。

 

改正前(円)

改定後(円) 増加額(円)
請求見込額 4,712 5,482 770
1か月当たり相当額 2,356 2,741 385
1年間相当額 28,272 32,892 4,620

 下水道使用料は下記の計算式により、算定されます。
※使用水量が2ヶ月で85㎥の場合 ①+②+③=13,739円
①基本料金(~20㎥) 3,234円
②超過料金(21~80㎥) (80㎥-20㎥)×160.6円=9,636円
③超過料金(81~200㎥) (85㎥-80㎥)×173.8円=869円

〇使用料計算イメージ
使用料計算イメージ

〇使用料早見表(円・消費税込)

水量(㎥) 旧使用料 新使用料 差額 水量(㎥) 旧使用料 新使用料 差額 水量(㎥) 旧使用料 新使用料 差額
~20 2,772 3,234 462 48 6,652 7,730 1,078 76 10,533 12,227 1,694

21

2,910 3,394 484 49 6,791 7,891 1,100 77 10,672 12,388 1,716
22 3,049 3,555 506 50 6,930 8,052 1,122 78 10,810 12,548 1,738
23 3,187 3,715 528 51 7,068 8,212 1,144 79  10,949 12,709 1,760
24 3,326 3,876 550 52 7,207 8,373 1,166 80 11,088 12,870 1,782
25 3,465 4,037 572 53 7,345 8,533 1,188 81 11,237 13,043 1,806
26 3,603 4,197 594 54 7,484 8,694 1,210 82 11,387 13,217 1,830
27 3,742 4,358 616 55 7,623 8,855 1,232 83 11,536 13,391 1,855
28 3,880 4,518 638 56 7,761 9,015 1,254 84 11,686 13,565 1,879
29 4,019 4,679 660 57 7,900 9,176 1,276 85 11,836 13,739 1,903
30 4,158 4,840 682 58 8,038 9,336 1,298 86 11,985 13,912 1,927
31 4,296 5,000 704 59 8,177 9,497 1,320 87 12,135 14,086 1,951
32 4,435 5,161 726 60 8,316 9,658 1,342 88 12,284 14,260 1,976
33 4,573 5,321 748 61 8,454 9,818 1,364 89 12,434 14,434 2,000
34 4,712 5,482 770 62 8,593 9,979 1,386 90 12,584 14,608 2,024
35 4,851 5,643 792 63 8,731 10,139 1,408 91 12,733 14,781 2,048
36 4,989 5,803 814 64 8,870 10,300 1,430 92 12,883 14,955 2,072
37 5,128 5,964 836 65 9,009 10,461 1,452 93 13,032 15,129 2,097
38 5,266 6,124 858 66 9,147 10,621 1,474 94 13,182 15,303 2,121
39 5,405 6,285 880 67 9,286 10,782 1,496 95 13,332 15,477 2,145
40 5,544 6,446 902 68 9,424 10,942 1,518 96 13,481 15,650 2,169
41 5,682 6,606 924 69 9,563 11,103 1,540 97 13,631 15,824 2,193
42 5,821 6,767 946 70 9,702 11,264 1,562 98 13,780 15,998 2,218
43 5,959 6,927 968 71 9,840 11,424 1,584 99 13,930 16,172 2,242
44 6,098 7,088 990 72 9,979 11,585 1,606 100 14,080 16,346 2,266
45 6,237 7,249 1,012 73 10,117 11,745 1,628 150 21,560 25,036 3,476
46 6,375 7,409 1,034 74 10,256 11,906 1,650 200 29,040 33,726 4,686
47 6,514 7,570 1,056 75 10,395 12,067 1,672 300 45,210 52,646 7,436

使用料早見表[PDF:211KB]

 マイクロソフトエクセルファイルが使用可能な環境であれば、下記の試算シートでも、請求見込額を試算できます。

使用料試算シート[XLSX:12KB]

改定後使用料の適用時期

 改定後使用料の適用時期は、下記の通りとなります。原則として、令和6年5月の検針終了後からの使用分が5月使用分として、新使用料が適用されます。また、使用料算定システムの都合上、閉栓に伴う使用料の清算については、令和6年6月1日から新使用料が適用となります。

〇通常検針の場合:令和6年7月検針分(令和6年5・6月使用分)より適用。

〇閉栓時精算の場合:令和6年6月1日より適用。

料金改正スケジュール

なぜ、値上げが必要になるのか

 近年、人口減少や節水意識の高まりに起因する有収水量の減少を受けて公共下水道の使用料収入は減少しております。一方で、処理施設の老朽化や近年の社会情勢に起因する物価上昇等の影響により汚水処理に要する経費は上昇しており、令和元年度以降、使用料収入では汚水処理に要する経費を賄いきれず一般会計からの繰入金で補っている状況です。

 下図は令和4年度決算時点の使用料収入及び汚水処理経費実績値を基に、使用料の改定を行わなかった場合、使用料収入と汚水処理に要する経費がどのように推移するかの見込みをグラフ化したものです。平均して、約4千万円程度の不足が発生する見込みであり、汚水処理に要する経費をどの程度、使用料収入で賄えているかを示す指標である経費回収率は90%台前半で推移する見込みです。

使用料・処理経費推移グラフ
 民間活力を活用した維持管理業務の効率化や整備後の費用対効果を考慮した下水道の整備予定区域見直し等、経営努力に努めているところではありますが、一般会計からの繰入金に対する依存度は、年々高くなっているのが実情で、これを解消するために、今回、増額改正に踏み切る事といたしました。

なぜ、繰入金を減らさないといけないのか

 下水道は公共水域の環境保全に寄与すると言う公共性を有する事業ですが、直接的な利益を受けられる方は下水道に接続されている方に限定される事業でもあります。このような公共性を有するものの直接的な利益を受けられる方は限られる事業については、通常の町事業のように全ての町民の方から納めていただいた税金を基に運営すると、その事業により直接的な利益を受けていない方の納めた税金も事業の経営に使われてしまい公平性を欠くことになるため、このような事業は町の会計と独立した公営企業が運営し、その経費は直接的に利益を受けられる方の負担により賄わなければならないとする“独立採算・受益者負担の原則”に基づいて経営されなければならないと定められております。

 前項でも述べましたが、壬生町の下水道事業は令和元年度以降、汚水処理に要する経費を使用料収入で賄い切れておらず、一般会計からの繰入金で補わざるを得ない状況が続いております。これは“独立採算・受益者負担の原則”の下、使用料収入のみで処理経費を賄えていれば、他の町事業に充てられたはずの税金が下水道事業に費やされているということであり、健全な経営状況とは言えません。これを解消する為にも、今回の使用料改定は必要なものであります。

経費削減の為の経営努力は

 水処理センターの維持管理運営については、平成27年度より包括的民間委託により、民間業者への業務委託を行っており、民間活力を活用した効率的な運営をおこなっております。

 また、下水道の計画区域についても整備後の費用対効果も含めた観点から見直しを行い、このまま整備を進めたとしても整備費用・維持管理費用に見合った使用料収入を得ることが困難であると見込まれる壬生処理区の稲葉処理分区の未整備区域の一部について、計画区域から除外し、合併処理浄化槽による単独処理に移行することとしました。

 この他、使用料の滞納対策として、訪問催告の強化等、滞納者対策の強化を行い、下水道を使用される方全員が公平に使用料を負担いただくよう努めていきます。

改正を決めた経緯は

 ここまで述べてきた通り、壬生町下水道事業の経営状況は現在、独立採算の原則を満たしていない状況であります。令和3年度に壬生町下水道事業経営戦略の改定を行った際、有収水量等下水道事業の運営に関わる指標についても、今後の推移を試算いたしましたが、汚水処理に要する経費が使用料収入を上回る傾向は今後も続くと見込まれています。

 このような状況から、壬生町下水道事業の経営健全化を図るため、下水道使用料の見直しの必要性について検討するべく、学識経験者と下水道の受益者代表で構成される公共料金審議会を招集し、令和5年7月より審議を進めておりました。

 慎重に審議を行った結果、使用料改定はやむを得ないものとして容認するとの結論となりましたが、その条件として、今回改定の料金適用は令和6年度から令和9年度までとすること、使用者の負担とならないよう、効率的な事業運営と安定的な経営に努めること、令和10年度以降は、下水道事業の経営状況や下水道使用者の使用実態等を考慮し、使用者の経費負担が適切なものになるよう、使用料改定の判断を行うこととし、令和5年10月に下水道管理者である壬生町長宛てに審議結果の答申を行いました。

 この答申に基づき、下水道使用料改定のため壬生町下水道条例の一部改正を令和5年12月議会に上程し、議決をいただいております。

令和10年度からの下水道使用料はどうなるのか

 下水道使用料の決定については、下水道法第20条でその基準が定められており、その中で「下水の量及び水質その他使用者の使用の態様に応じて妥当なものであること」「能率的な管理の下における適正な原価をこえないものであること」とされています。これは下水道事業の公共性の高さから、下水道使用料は高すぎても低すぎてもならないとするものであり、令和10年度以降の下水道使用料については、その時点での壬生町下水道事業の経営状況や経済情勢等を踏まえて適切な使用料となるよう、見直しを行う予定です。

 また、国より示されている下水道使用料決定に関する指針においては、壬生町下水道事業の経営状況や経済情勢等を使用料に対して適切に反映出来るよう、3年から5年間隔で定期的に実施することとされており、令和10年度以降も定期的に使用料の見直しを検討していく予定です。

今後使用料を値下げすることはないのか

 前項でも説明いたしましたが、下水道使用料は経営状況や経済情勢、使用者の状況等を踏まえた上で、適切な金額であることが求められております。したがって、今後の使用料見直しの際に、汚水処理経費が使用料収入で回収しきれており、将来的な推移を見ても、必要十分な額以上の使用料収入が見込まれる場合であれば、使用料の減額改定となる場合もあります。

令和元年にも値上げをしたのでは

 令和元年10月に実施しました下水道使用料の改定は消費税の税率改正へ対応する為のもので、使用料の本体価格は改定しておりませんでした。直近で使用料の本体価格を改定したのは11年前の平成24年5月までさかのぼります。そのため、現在の使用料本体価格は、11年前時点での社会情勢や将来見通しを基に算定されたものを使い続けている状況であり、現在の社会情勢や最新の将来予測を基にした適切な使用料水準とするためにも、使用料改定は必要です。

水道使用料・農業集落排水も値上げするのか

 今回、増額改定の対象となるのは、市街化区域に整備されている下水道である公共下水道の使用料のみです。水道使用料や市街化調整区域に整備されている下水道である農業集落排水の使用料は今回の増額改定の対象ではありません。

生活困窮者への対応は考えているのか

 生活に困窮されている方への配慮は当然必要なものであると考えておりますが、ここまでで説明してきたとおり、下水道事業は使用されている皆様のご負担により運営されるべきものです。現状、壬生町の下水道事業は汚水処理に要する経費を使用料収入で賄い切れていない状況であるため、使用料改定を含めた経営健全化のための努力は必要不可欠なものであります。その上で生活に困窮されている方に対する施策を検討してまいります。

お問い合わせ

下水道課
TEL:業務係:81-1858 経理係・工務係:81-1859 集落排水係:81-1841
お知らせ:メールでのお問い合わせはこちらから
ページ
先頭へ